ひのみやこ 主催
第1回 日本文化に根ざす
シュタイナー教員養成講座
2027年春 子どもの学び舎開校予定
はじめに
ひとりひとりの子どもは、ある願いを抱いてこの世に生まれて来ています。
それは、「わたしは自由になりたい」という願いです。それは、「わたしは、他の誰でもなく、まぎれもない『ひとりの人』になりたい、まぎれもない『わたし』になりたい」という願いです。そして、「多くの人と助け合って、より美しい世界、より善き世界を創って行きたい」という願いです。
わたしたち大人の仕事は、その子どもが抱いているその子ならではの願いを汲みとり、引きだすことであり、それこそが、教育という営みなのです。
しかし、その営みは、教師になるということ、先生になるということだけを指すのではありません。まず、わたしたちひとりひとりの大人が、「自由への道」「もっともっと『わたし』になりゆく道」を歩いて行くこと、それこそが、教育という営みの礎なのです。
シュタイナーは、その教育の営みは、芸術の営みそのものであると言いました。「人を創る芸術」、それこそが、教育の営みなのです。
この「シュタイナー教員養成講座」は、「人を創る芸術」をからだまるごと、こころまるごとで学ぶ二年間のコースです。様々な芸術体験、農の営み、授業の実際、そして人間学。これらの基礎を体験し、学びゆくことで、わたしたちひとりひとりが、子どもたちの願いに、そして自分自身の願いに、耳を澄ますことのできる人になりゆく道が始まります。
シュタイナーがこの世の仕事を終え、あの世に旅立ってから、ちょうど100年が経とうとしています。新しい時代が始まろうとしています。21世紀の二十年代の半ばの今、これからの子どもたちと共に新しい世界への扉を自分自身から開いて行くために、わたしたちと二年間の学びをご一緒しませんか。
わたしたちについて
「ひのみやこ」は、
人の「ひ(精神性)」を守り育てる場所(「みや(宮)こ(此処)」)を表しています。
私たちは、外から様々な知識を子どもたちに教え育てるというよりは、子どもたちの中に宿る精神性を守り育てることを柱とする教育の場を創っていきたいと考えています。
そのような思いから、
2024年春に認可外保育園(「里山おうちえん」)を開き、シュタイナー教育と四季に沿った日本古来の暮らしをミックスした教育を始めています。
そして次は、
ここに通う子どもたちの成長に合わせ、2027年春に小学校段階の学び舎(「ひのみやこ」)を開校予定です。
「ひのみやこ」では、
「里山おうちえん」の教育内容をベースに、今回の教員養成講座の講師陣の皆様の教えを取り入れた未だかつてない教育を実践していくつもりです。
この新しい教育を創り広げる仲間として、この船に乗り込んでいただけたら嬉しいです。
東北の里山・宮城蔵王について
宮城県の南、東西に広がる人口1.2万人の町。
東の里山地域から西の蔵王連峰までの多様な自然。 稲作から果樹栽培までの多様な農業。 遠刈田温泉街を中心にした商店や旅館、そして伝統工芸品である「こけし」などの多様な産業。 かつて縄文人も暮らした住み良きこの土地で、 人々は多様な暮らしを営んでいます。
詳しくは<こちら>をご覧ください(外部サイトにリンクしています)。
ひのみやこ主宰
清水 大督・絢子
認可外保育園 里山おうちえん主宰
清水 絢子
講義の内容
2025年5月から2026年12月にわたる『第1回 日本文化に根ざすシュタイナー教員養成講座』。
日本の風土や四季に沿った農的な暮らしを通して、シュタイナーが語る人間の本質を学んでいきます。
シュタイナー教育と農的暮らしのハイブリッドはおそらく日本初の取組み。
蔵王の場に集まってのオンサイトクラスと毎週水曜日の夜のオンラインクラスにて学びを共にいたします。
講座(アントロポゾフィーより)
・自由の哲学 「見ると考える(芸術実践と瞑想)」
・普遍人間学 「眠ることと目覚めること」
「授業における教師の語り口」
・教育学 「七年周期にみる人の成長」
・人間学 「十二の感官論」「気質論」
「四季の巡りと祝祭」「カルマ論」
・宇宙と地球の来し方・行く末
・日本神話から始める歴史の学び
・社会論
芸術・実践
オンライン講座
オンライン講義では、下記の本に沿って進みながら、こころの育みとしての瞑想の営みにゆっくりと取り組んで行きます。
ルドルフ・シュタイナー著(鈴木一博訳)
本教員養成講座参加の折には本のご購入をお願いします。QRコードから販売元のHPへアクセスできます。
・ことばづくり/言語造形(ことばを語ること、それは芸術行為)
・農のいとなみ(季節の巡りに応じた田畑との命ある関わり)
・オイリュトミー(人と宇宙との繋がりを感じて動く)
・水彩(色彩との対話)
・音楽(聴く器官の育み)
・演劇(原文での古事記の実演)
・筆と墨によるフォルメン線描(からだとこころまるごとで線を描く)
・手仕事(世界の根源と静かに響き合う手仕事)
・自然観察(自然に通っているリズムを生きる)
・植物との対話・ゲーテ的自然観察(世界と自分に対する新しいまなざし)
・幼児教育における教師のあり方(幼な子の傍らにいかに大人があるか)
・小学生低学年への授業の実際(歌、物語、色にどっぷりと浸かること)
・4年生から8年生の子どもたちへの授業の実際(世の美しさと真実を分かち合う)
講師紹介
秋山 良子(あきやま よしこ)
森のちいさなアトリエ主宰
水彩・手仕事
●水彩
シュタイナーの水彩は、紙に水を含ませ色をのせて描きます。色と色が出会い、響き合い、溶け合い、変容していく様は、風の中を漂う雲のよう。色が広がる、新たな色が重なる、それらを受け取り、また筆を動かす。色との対話のなかで私たちの内には静けさが訪れ、色の響きが命の隅々まで沁みていきます。私たちの感じる心を豊かに育みます。
●手仕事
人間の手は自然界をつなぎ合わせ、新しい命を生み出す力を秘めています。手を動かし、心を動かし、私たちが生み出すものが、この世界の根源と静かに響き合い生まれたものであれば、 その暮らしは、一つ一つが尊いものとなるでしょう。シュタイナーの手仕事は、そうした手と感性を育て、揺るぎない意志を育みます。
ダグラス・ニュートン
mentor of deep nature reconnection
自然と共に生きる
自然の巡りや織りなしが、いのちやその成長、調和、そして互いのつながりを私たちに伝えます。また、インスピレーションと知識の力強い源となります。日々の生活に自然の息吹きを吹き込むこと。それは、遊び心に満ちた冒険の旅であり、自然界との間に深い親しみを育ててゆくことなのです。そして、私たちが真に自分自身を見いだし、自分自身でいることを可能にしてくれます。「人は生活の中でリズムと繰り返しを生きることで、より高い次第へと昇りゆくことができる。 リズムはすべての自然を支配している。」 ルドルフ・シュタイナー
応募方法・受講料
応募方法
こちらの<応募フォーム>よりお申し込みください。
受講料お振込先はお申し込みいただいた方に個別にご案内いたします。
応募締切:2025年4月30日(水)
講座受講料について:
一括お支払い … 50万円
分割お支払い … 17万5千円×3回
割引制度
ユース割引
*受講申し込み時点で25歳未満の方が対象です
一括お支払い … 30万円
分割お支払い … 10万5千円×3回
早期割引 … 28万円 (応募フォームよりお申し込みの上、2025年2月28日(金)までにご入金ください)
単発受講
オンサイト講座…講義・芸術講座ともに1コマ4,000円
*宿泊も対応しています。ご希望の方は応募フォームよりお知らせください。
*本講座は時間の限りがあり、海外での全日制の教員養成などに等しいものではありませんが、シュタイナー教育の根本を学び、教育に必要な芸術感覚を啓いていくための講座です。形ある資格はお出ししませんが、何よりも大切な、ひとりの人としてのこころとからだの技量を育ててゆくための講座です。
受講生の声
シュタイナー教員講座を受けて
ー子どもの育ちに必要なことー
ひのみやこ運営メンバー 髙橋 愛満
わたしは2022年8月から2024年5月にかけて、諏訪耕志先生がコースリーダーを務めるシュタイナー教員養成講座(宮城おひさまの丘シュタイナー学園主催)を受講しました。修了した今、主に3つのことが印象に残っています。
1つ目は、わたしたちの手足は世界をより善くするためにあることです。その力は一人ひとりに生まれながらに備わっています。シュタイナー教育では、ひとが学ぶことを地位や名誉を得るためとも、ひとりで生きられるようになるためとも言いません。そのかわりに、自分を世界に開き、手足で美しいものをつくりだすことができると教えます。そして自分の力が誰かの助けとなることや、ともに生きる喜びを分かち合うことを覚えます。子どもにその感覚が育まれるよう、大人として寄り添うことを教わりました。
2つ目は、誰よりもまず大人が、音や言葉、ひとのいとなみ、大地の恵みをからだとこころのすべてで味わい、楽しむことの大切さです。シュタイナー教育の学びの多くは芸術体験を通しています。自分のまるごとで世界を味わった人こそが、世界の素晴らしさや理、生きるうえで大切なことを、子どもにもありのまま伝えることができるのだと思います。過去の歴史や発見は、ただ暗記して良い点数をとるためにあるのではありません。古くから継がれてきた知恵を、子どもがよりよく生きる導きとなるよう願いながら、手渡していきたいと思いました。
3つ目は、自分への信頼です。毎週オンラインクラスではシュタイナーの言葉を読み、分かち合う時間があります。日々を流れに任せて過ごすことなく、自分が大切にしたい芯に戻ることができる大切な時間でした。また毎朝、メディテーションとコンセントレーションにも取り組みました。人知れず積み重ねたこの小さな行いが「わたしは完璧ではなく失敗もするけれど、前に進みたいと願い行動し続けられる人間だ」という気持ちを抱かせてくれました。今もまだレッスンは続いています。いざという時、自分が一番の強い味方であることはとても嬉しいことです。
自分の声をよく聴き、観て、理解できるようになることは、シュタイナー学校の教員を目指す人に限らず、子どもの育ちに関わるすべての大人にとって大切だ思います。その大人は、子どもが内側に秘めた思いや光を聴き観て、子どもの育ちに然るべき環境を作ることができます。
一方、大人がひとりで自己教育の時間を持ち続けることは簡単ではありません。わたしは受講することで、仲間とともに深く広く、笑いと勇気をもらいながら学び続けることができました。それはとても豊かな稔りの時でした。
次のひのみやこ主催の講座は、日本文化とシュタイナー教育を掛け合わせて学ぶ、新しい試みです。わたし自身、里山に暮らしながらシュタイナー教育を学んだ一人としてワクワクするテーマです。ぜひ、一緒に探究しましょう!